富士山登山ルートの難易度を徹底比較 4つのルートを初心者から上級者まで解説

2026-06-23

「富士山に登ってみたい」と思ったとき、最初に直面するのが「どのルートで登ればいいの?」という疑問です。

富士山には4つの主要登山ルートがあり、難易度・距離・混雑・景色がそれぞれ大きく異なります。間違えたルートを選ぶと、体力的に想像以上にきつかったり、山小屋が少なくてリスクが高くなったりすることもあります。

この記事では、4つの登山ルートを難易度・距離・特徴・2026年の規制情報まで含めてわかりやすく解説します。


2026年の富士登山:まず知っておくべきこと

開山期間

吉田ルート・須走ルートは2026年7月1日開山予定、富士宮ルート・御殿場ルート・山頂のお鉢めぐりは2026年7月10日開山予定です(残雪状況により遅れる場合があります)。登山シーズンはいずれも9月10日までです。

入山料・通行料

2026年シーズンも、4つのルートすべてで1人1回4,000円の支払いが必要です。吉田ルートでは「通行料」、静岡県側3ルートでは「入山料」として徴収されますが、いずれも任意ではなく義務です。

  • 吉田ルート(山梨県側):当日現地(現金)または事前オンライン決済
  • 静岡県側3ルート:原則として「静岡県FUJI NAVI」アプリで事前登録し、入山証を取得します。スマートフォンがない場合などは現地での手続きも可能ですが、時間がかかるため事前登録が推奨されています

全ルート共通の時間規制

弾丸登山を防ぐため、午後2時〜翌午前3時の入山は、山小屋宿泊者を除き制限されます。吉田ルートではこの時間帯にゲートが閉鎖されます。静岡県側3ルートでも各登山口で山小屋宿泊予約の確認が行われます。山小屋宿泊者も、通行料・入山料4,000円の支払いは必要です。

吉田ルートの人数制限

吉田ルートのみ、1日の登山者数が4,000人(山小屋宿泊者を除く)に達するとゲートが閉鎖されます。混雑する土日・お盆・山の日前後は早朝出発が安心です。

必須装備チェック

吉田ルートでは五合目ゲートで装備チェックが実施されます。防寒具・上下セパレートの雨具・登山に適した靴の3点がない場合は入山できません。スニーカーや簡易カッパでの登山は不可です。


4つの登山ルート難易度比較

① 吉田ルート(富士スバルライン五合目・山梨県側)

難易度:★★☆☆☆(初心者〜中級者向け)

例年4ルートの中で最も多くの登山者が利用する定番ルートです。初めての富士登山であれば、まずこのルートを選ぶのがおすすめです。

登り約6.8km・約6時間、下り約7.0km・約3時間10分。

出発点の富士スバルライン五合目は標高約2,305mで、4ルート中2番目に高い出発地点です。山小屋・トイレ・売店が4ルートの中で最も充実しており、登りと下りで道が分かれているため安全性が高いです。道標も整備されており、ルートが明確でわかりやすい点も初心者向きです。

本八合目以降で須走ルートと合流するため、山頂付近は混雑します。また九合目〜山頂にかけては岩場が急になるため、体力と注意が必要です。下山時は須走ルートとの分岐(八合目)で誤って須走ルートに入ってしまうケースがあります。2026年から予約システム上で分岐の画像が表示されるようになったため、事前に確認しておきましょう。

アクセスは新宿(バスタ新宿)から高速バスで約2時間35分(夏季シーズン中)です。

富士山五合目行き高速バスの予約はハイウェイバスドットコム


② 須走ルート(須走口五合目・静岡県側)

難易度:★★★☆☆(中級者向け)

吉田ルートよりも混雑が少なく、静かに登りたい方に人気のルートです。登り約6.9km・約6時間25分、下り約6.2km・約3時間20分。

出発点の須走口五合目は標高約2,000m。前半は樹林帯の中を歩くコースで、緑の中の登山を楽しめます。ただし吉田ルートより出発標高が低い分、標高差は約1,700mあり体力が必要です。

下山コースの「砂走り(すなばしり)」は、深い砂の上を滑るように下れる爽快なルートとして知られています。ただし砂埃が激しいため、ゴーグルやバラクラバ(目出し帽)などの対策があると快適です。本八合目で吉田ルートと合流するため、山頂付近は混雑します。

静岡県側のため、原則として「静岡県FUJI NAVI」での事前登録・入山証の取得が推奨されています。スマートフォンがない場合などは現地での手続きも可能です。


③ 富士宮ルート(富士宮五合目・静岡県側)

難易度:★★★☆☆(中級〜やや上級向け)

4ルートの中で最も距離が短く、登り約4.3km・約5時間10分、下り約4.3km・約2時間40分です。ただし「距離が短い=楽」ではありません。

出発点の富士宮五合目は標高約2,400mで、4ルート中最も高い出発地点です。標高が高い分だけ高山病にかかりやすく、最初から急な岩場が連続します。七合目以降は傾斜がさらに急になり、上りは体力的にかなりきつく感じます。また、登りと下りが同じ道を使うため混雑・渋滞しやすく、すれ違いに時間がかかることがあります。下りは急な岩場での膝への負担が大きく、下山後に膝を痛める方が多いルートでもあります。

静岡県側のため、原則として「静岡県FUJI NAVI」での事前登録・入山証の取得が推奨されています。スマートフォンがない場合などは現地での手続きも可能です。


④ 御殿場ルート(御殿場口新五合目・静岡県側)

難易度:★★★★★(上級者・健脚向け)

4ルートの中で最も過酷で、経験豊富な登山者向けのルートです。登り約10.5km・約8時間40分、下り約8.4km・約3時間30分。

出発点の御殿場口新五合目は標高約1,440mと4ルートで最も低く、山頂までの標高差は約2,300mに達します。距離・標高差ともに群を抜いており、体力の消耗は相当なものです。山小屋の数が少なく、救護所もないため、体調不良や装備不足は直接的なリスクにつながります。

一方で、登山者が極めて少なく静かな登山が楽しめます。「大砂走り(おおすなばしり)」は須走ルートを超えるスケールの砂の下山コースで、その爽快感は他ルートにはありません。圧倒的な眺望と孤独感が、このルートの最大の魅力です。

静岡県側のため、原則として「静岡県FUJI NAVI」での事前登録・入山証の取得が推奨されています。なお、御殿場ルートは夏期登山シーズン中もマイカー規制の対象外となっており、登山口まで自家用車でアクセスできます。

初めての富士登山なら、迷わず吉田ルートを選びましょう。山小屋・トイレ・道標が充実しており、万が一のときのサポートも受けやすい環境です。

体力に自信があり混雑を避けたいなら、須走ルートが向いています。樹林帯の自然と砂走りの爽快感も楽しめます。

短時間で登りたいが岩場・急登に対応できる体力がある方には、富士宮ルートが選択肢になります。ただし膝への負担と高山病リスクを念頭に置いてください。

登山経験が豊富で、長距離・山小屋が少ない環境でも対応できる健脚者には、御殿場ルートの孤独な絶景が待っています。


富士登山の注意点

高山病

富士山の五合目はすでに標高2,000m超。バスや車で一気に上がったあとすぐに動き始めると、高山病(頭痛・吐き気・めまい)が出ることがあります。五合目で30分〜1時間ゆっくり体を慣らしてから登り始めましょう。水分をこまめに摂り、ゆっくりしたペースを保つことが予防につながります。

天気の急変

富士山の天気は変わりやすく、晴れていても突然雨・強風になることがあります。山頂付近は真夏でも気温が氷点下近くまで下がることがあります。出発前に天気予報を確認し、悪天候が予想される場合は登山を中止する判断が大切です。

弾丸登山は絶対に避ける

夜中に五合目を出発して山頂を目指す「弾丸登山」は、高山病・低体温症・遭難のリスクが非常に高いです。2026年シーズンはすべての主要ルートで、午後2時〜翌午前3時の入山が山小屋宿泊者を除き制限されています。山小屋に1泊して体を慣らしながら登るスタイルが、安全で充実した登山につながります。

装備

防寒着(ダウンジャケットなど)・上下セパレートの雨具・登山に適した靴は最低限必要です。これらがないと吉田ルートではゲートを通過できません。ヘッドライト・水・行動食・日焼け止め・手袋も必ず用意してください。


2026年の事前手続き

吉田ルートは富士登山オフィシャルサイト(fujisan-climb.jp)から通行予約が可能です。混雑するシーズン中は早めの予約が安心です。

静岡県側3ルート(富士宮・御殿場・須走)は原則として「静岡県FUJI NAVI」アプリからの事前登録・入山証の取得が推奨されています。スマートフォンがない場合などは当日現地での手続きも可能ですが、繁忙期は待ち時間が発生するため、事前登録をおすすめします。

吉田ルートへのアクセスは新宿(バスタ新宿)から高速バスが便利です。登山シーズン中は富士スバルライン五合目への直通便も運行されます。

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よくある質問

Q. 富士山は登山経験がなくても登れますか? 吉田ルートであれば、体力があれば登山経験がなくても登頂できます。ただし、普段から運動をしていない方や高所が苦手な方は、高山病・疲労・天候変化のリスクがあります。事前に低山でのトレーニングを重ねておくことをおすすめします。

Q. 日帰りと山小屋泊、どちらがよいですか?
山小屋泊が強くおすすめです。日帰りは弾丸登山になりやすく、高山病・低体温症のリスクが高くなります。山小屋に泊まることで体を高度に慣らしながら登れるため、安全性・快適性が大幅に上がります。

Q. 入山料4,000円はすべてのルートで必要ですか?
はい。2026年シーズンは吉田・富士宮・御殿場・須走の4ルートすべてで1人1回4,000円が必要です。任意ではなく義務で、支払いなしには登山道を利用できません。

Q. どのルートが最も初心者向けですか?
吉田ルート(富士スバルライン五合目発)が最も初心者向けです。山小屋・トイレの数が多く、道が整備されていて迷いにくく、万が一の際のサポート環境も充実しています。

Q. 富士山への高速バスはどこから乗れますか?
新宿のバスタ新宿から乗車できます。登山シーズン中は富士スバルライン五合目への直通便があります。
富士山五合目行き高速バスの予約はハイウェイバスドットコム